アジアン家具を考える
D社は、このコンビニ化粧品をテレビCMなどで鮮明に押し出し、二〇〇一年度にはついに通販化粧品売上げでトップ(通販総合でも五位につける)に立ち、二〇〇二年度の売上高も約九七七億円と、八六四億円超のFF社を頭一つリードしている。
に医薬食品事業部を創設した。
FF社側から見れば、常にD社はFF社の先例を追随してきたかたちになるが、M・Hはそれに関しては淡と語る。
企業です」非常に紳士的なM・Hの態度には、創業者のプライドが乗り移ったかのような自負が覗く。
工場物流センターの連係プレー現在、FF社は発芽玄米を第三の柱に育てようとしている。
これは発芽させることで栄養価を高めた玄米だが、二〇〇一年四月の発売以来、売れ行き好調で二〇〇三年三月期には六八億円を売上げた。
青汁も前年度の一一億から二五億円と格段の伸びを見せる。
現在、業績の「踊り場」にありながらも、次なるステップを着実に見据える同社の馬力はここにも健在と見た。
確かに、健康食品をはじめとするシニア向け商品の充実は、通販企業の必須テーマになっている。
もっとも同社の業務の中で、やはり高いウェイトを占めるのは化粧品。
私は千葉県流山市FF社の工場にある同社千葉工場を訪れ、化粧品生産・発送が一つの拠点で行われる様子を確認することにした。
二月下旬の朝八時半、私とカメラマンは東武野田線の江戸川台駅から、パートの女性たちを運ぶマイクロバスに便乗し、工場へ向かった。
住宅街を縫うように走るバスはやがて、いかにも関東平野然とした田園地帯に達する。
目的地の「流山工業団地」は、一一年前の開設時には二四社の工場があったが、そのうち一四社がすでに撤退し、かなり閑散としている。
実際、九九年に竣工したFF社の新設工場も、隣接する工場が倒産したため、そこを買い取って建てたのだという。
それでも、正面に「萄鼎畑」のマンナンライフ、斜向かいに卓球の三栄の工場などが操業中。
私を「社会科見学」の郷愁へ誘う。
工場というものは横に広いのが普通だが、FF社の工場は逆に縦に長い六階建て。
工場部分は五階が最上階で、上から次第に製品ができてくる仕組みだ。
したかつて、清浄度は上から順に高い。
化粧品に限らず無添加品の命は衛生面。
従業員たちは細心の注意を払って二〇〇品目に及ぶ製品を作る。
といっても、化粧品を調合するステンレスの釜から製品を充填するパイプまで、すべてがフルオートメーションで動くのだから、従業員はひたすらチェック役に回っている。
懇切丁寧に案内してくれた広報部のM・Hや総務グループ次長の田子正幸には申し訳ないが、商品の細かい製造工程はここでは省こう。
問題はその化粧品が瓶詰めされ、ベルトコンベアの行き着く先、物流センターだ。
無添加化粧品は廃棄につながる不良在庫を持つことができず、可能な限り新鮮なうちに消費者の手元に届けなければならない。
注文生産とまではいかないが、「受注結果を毎日、生産計画に反映させている」という。
同社は横浜にも物流センターを持つが、これは直販その他のルート用(子会社のアテニア化粧品FF社とは製品コンセプトの違う別ブランドで、千葉では主に通販ルートで受注した商品を発送する。
むろん、ここでも化粧品に加え、健康食品や肌着なども扱い、都合約一五〇〇品目、一日平均一万三〇〇〇件の発送を行っている。
東京・Tさん馬場の受注センターが、様なメジャーを通じて受けた注文が専用光ケーブル小物流センターでのピッキング風景を通じて同センターまで届き、リストになって出力されたものに基づき、ピッカーと呼ばれるパートたちがラインに並び、棚に常時充填される商品を選り取って(ピッキング)箱詰めする。
伝票に重量表示もされ、ライン最後のチェッカーがバーコードと数字の適さない箱をはねる、といったところまで、その流れ作業は完璧を期されている。
簡易包装に努める同社では、送り状=ガムテープ代わり、などの点も非常に合理的だ。
送されるので、受注の波は二五日からの一週間ほどでしょうか。
繁忙期には、通常九時半から一七時までの稼働を八時〜一九時までに延長します」(M・H)配送には日本通運とY運輸の二社が入っている。
宅配事業でS急便やY運輸に押されっぱなしの日通だが、FF社のニーズのために「置き場所指定サービス」を展開し、最近、一気に挽回中だ。
同センターの取扱量も八割は日通担当。
ただ、代引きクール便はY運輸の範躊である。
ともかく、この物流センターと工場の連携は、同じ敷地内に建つという物理的な近さに加え、センターの在庫量をダイレクトに掌握できるため、無駄な生産と欠品を防ぎ、在庫を適正量に保つのに大いに貢献している。
工場はまず、本社の生産管理部門が出した三か月ごとの需要予測を柱に、一週間単位で生産計画を立てる。
これに対し、物流センターは毎日の受注状況を見ながら、必要に応じて工場に製造を依頼する仕組みだ。
「三〜四日ごとに微調整がある」とのこと。
FF社の多品種少量生産を可能にする秘訣は、ここにあったのだ。
こうしてすべてに開放的なFF社の体質は、業界でもとかく評判になるようだ。
一九九九年には障害者雇用促進のための特例子会社「FF社スマイル」を設立するなど、社会貢献にも熱心。
ここに勤める知的障害者たちは、カタログ、資料類のセットアップ、商品の出荷作業、紙資料の廃棄業務など、FF社グループ内から委託された仕事をこなすことで、仕事に対する能力を高め、社会的自立を目指せるようになっていく。
れ、知的障害者雇用の輪が全国に広がるのを期待してるんです。
彼らにはポンドに、いつ行っても元気をもらえる、励まされますよ」温厚なM・Hは噛みしめるようにそう言う。
付け焼き刃で出だのではない、その言を私も受け止め、「いずれ、そちらも見学を」と約した。
しかし、理想家肌のオーナーが多い通販企業にあって、FF社は不思議な会社だ。
その後、会長のIがあるウェブ雑誌の取材で「今後」の同社についてこう答えていたのを発見し、私は少し納得した。
「『こういう会社にしたい』というビジョンは特になかったんです。
知人には漠然と『起業するからには一〇〇億企業をつくる』と言ったりもしましたが、達成しても全然満足感はなかった。
私は今も目の前にある不便や不満を変えていくことに夢中。
まだやらなくてはならないことに、いつも『自分かやらないで誰がやる』と思っています」
社長の右腕ともいうべきチーフマネージャーのY・K、マーケティング部責任者のK・Tらが、私をバトンにリレーをするように同社を隈なく案内するという。
最初はXさんの番だ。
Xさんは建物を貫く大階段に舞い戻る。
壁面すべてに隙間なく、スローガン、「お客様の声」、業績表等が張り出され、どの社員にもこの会社が今どんな状況にあるかがわかる仕掛けになっている。
これを「情報公開の導線」とはよくいったものだ。
そして、三階踊り場には「お客様の椅子」とだけ書かれたシンプルな椅子が置かれ、背後には「目標二〇〇億円突破」と貼り紙された売上げの伸びを示す棒グラフがある。
実感できない客の姿をここに映し出そうというのだ。
いやが上にも士気は上がるだろう。
お客に対してだけではない、「すべてに感謝する」が同社のモットー。
例の床磨きも、「クリーン隊(清掃係)」への感謝を込め、月に一度の持ち回りで割当社員たちが総出でかかるのだそうだ。
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